経理の年収を上げる方法は、転職だけではない
経理の年収は「頑張り」では上がりにくい職種です。 どこで金額が決まっているかを分解すると、打ち手は自然に絞られます。
経理の年収を決めている4つの要素
同じ「経理」でも、年収は次の掛け算で決まります。個人の処理速度は、 この4つと比べると影響が小さい。
- 会社の規模と業績。給与テーブルの上限は会社側で決まっており、 個人の評価で超えることは通常できません。
- 担当している業務の階層。日常仕訳・支払管理と、 連結・開示・税効果・資金調達では、社内の格付けが違います。
- 上場・非上場の別。開示義務の有無が業務範囲を規定し、 求められる専門性と待遇に反映されます。
- 代替可能性。その業務を担える人が社内外にどれだけいるか。 月次を回せる人は多く、連結を一人で締められる人は少ない。
1と3は転職でしか動きません。2と4は今の職場でも動かせる可能性があります。
今の職場で動かせること
担当範囲を上の階層へずらす
決算業務のうち、自分が触れていない領域に関与できないかを確認します。 連結、税効果、開示、監査対応は、経験者が限られるため市場価値に直結します。 繁忙期に補助として入るところから始められる場合があります。
制度変更への対応を担当する
会計基準の適用対応、システム更新、業務プロセスの再構築は、 定常業務と違って「やった人」が特定されます。社内の評価にも、 転職時の説明材料にもなります。
資格を業務と接続する
資格の取得自体が直ちに年収に反映される会社は限られます。 反映されるのは、資格で担える業務が増えた場合です。 取得前に、その資格が自社のどの業務に接続するかを確認してください。
転職でしか動かないこと
- 給与テーブルの上限。今の会社の水準が業界内で低い場合、 社内でどれだけ評価されても頭打ちになります。
- 非上場から上場企業への移動。開示業務の有無は転職でしか変わりません。
- 業界そのものの水準。業界によって経理職の相場は異なります。
転職を選ぶ場合に効く順番
経理の求人は、職種名では中身が判別できません。 「経理」と書かれた求人の担当範囲は、会社によってまったく違います。 したがって次の順で確認するのが現実的です。
- 自分が今できる業務を、階層で棚卸しする(日常処理 / 月次 / 年次 / 連結 / 開示 / 税務)
- 次に担いたい階層を1つ決める
- その階層を任せてもらえる規模・上場区分の会社に絞る
- 求人票ではなく、担当範囲の具体で確認する
4の確認は、求人票を読むだけではできません。 会計・税務に特化した転職支援サービスは、この確認を代行できる立場にあります。 ただし各社が何を公表しているかには差があるため、 比較ページに公開状況を整理しました。
年収を上げる目的が「今の状態から抜けること」である場合
年収を上げたいという言葉が、実際には 「今の働き方から抜けたい」を意味していることがあります。 その場合、年収だけを条件に転職すると、業務量が増えて元の状態に戻ります。
年収と業務量は独立ではありません。提示額を比べる前に、 その金額に何時間が含まれているかを確認してください。 基本給と固定残業代の内訳は、面談で確認できます。
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